終わらない
裏切り 藤堂凜
「ねえねえ。この学校の怖い話知ってる?」
茉奈が話し始める。
「何それ!?」
麻衣子がすぐに食らいつく。
「お姉ちゃんから聞いたんだけどさ、この学校で20年くらい前に不可解な事故が怒ったんだって」
「「えー」」
「最後まで聞いてよ。当時いじめられていた女の子が教室で首を吊って死んだんだって。それから、そのクラスのみんな死んじゃったんだって」
「ゴクッ」
唾を飲み込む。
「それで、そのいじめられた女の子の呪いなんじゃないかって。その子にあうとなんでも願いを叶えてくれるんだと」
ガラガラッ
「「きゃーーーー」」
入ってきたのは体育教師の山田先生。
「お前ら、下校時間とっくに過ぎてるぞ!早く帰れ!」
私たちは教室を後にする。
「山田の奴いいところで来るなんて!」
天壌茉奈。
中学生には思えないほどかわいくて、読者モデルをしていて、玲央君という学年人気の彼氏がいる。
お父さんは有名な会社の社長。
「本当だよ。まぢ空気読めって感じ」
菅保麻衣子。
茉奈とは幼稚園からの親友で茉奈と同じ読者モデルをしている。
「てか、彩加ビビりすぎ!」
「だって、怖いじゃん!!」
上地彩加。
中学に入って仲良くなった。
親は共働きで、一人っ子。
「彩加のビビり方にビビったから!!」
大野真琴。
バスケ部のキャプテンで、ショートカットが似合う。
3年生の彼氏とラブラブだ。
「心愛!あんたもビビってたよね」
「はあ。怖くないから!あんなの」
岩田心愛。
学年で1番頭がよくて、無口。
顔はきれいな顔をしてるが近づきにくい存在。
「ねえ。凜は怖かった?」
「え?うん。怖かった」
そして、私、藤堂凜。
家族も顔も、普通。
なぜ、このグループに入れたのか自分でも不思議に思う。
「じゃあ、私これから撮影あるから」
茉奈はそう言って帰る。
「私、塾があるから」
心愛も帰っていく。
「私たちも、帰るね」
彩加と真琴も帰る。
「ねえ、凜」
「ん?」
「話があるから、ファミレス行かない?」
「うん」
麻衣子から初めて誘われた。
私たちは、近くのファミレスに入る。
「いらっしゃいませ」
定員さんの明るい声。
「席へご案内いたします」
「はい」
麻衣子の声は元気がない。
「ごゆっくりどうぞ」
定員さんはキッチンの方へ行った。
「麻衣子。話しって?」
「もし、私が1人になっても凜は裏切らないでね」
「え?」
「私、凜のこと信じてるから」
「う、うん」
「お飲み物でございます」
定員さんは水を持ってくる。
「ご注文はおきまりでしょうか?」
「えっと。ドリンクバーで」
「私も」
「かしこまりました」
麻衣子は、水を一気に飲んだ。
「実は、荒木くんに告白したの」
「荒木くんって。茉奈の彼氏だよ!」
「うん。でも、この気持ち抑えられなくて」
「茉奈には?」
麻衣子は首を横に振った。
「でも、告白しただけでしょ?」
「それが、デートしたんだよね」
「デートって、茉奈に知られたらやばいよ」
「どうしよう。荒木くん茉奈に言ったりしないかな」
「大丈夫だよ。浮気してたんだし」
「うん・・・」
「この話、誰が知ってる?」
「荒木くんと、凜だけ」
「分かった。荒木くんには私からも話しておく」
「凜。ありがとう」
「ううん」
このことが知られてはまずい。
茉奈は荒木くん一筋で、小学校5年から今まで3年も付き合っている。
もし、このこと知ったら麻衣子はぶられるに決まってる。
私は、荒木くんに話をつけることにした。
次の日、茉奈は昨日の撮影で疲れて学校を休んだ。
私は、荒木くんを屋上に呼んだ。
「話しって何?」
「麻衣子のこと」
「・・・」
「浮気したんでしょ。私は、荒木くんを許さない」
「俺になにしろと」
「麻衣子のこと茉奈に黙ってて」
「そんなことでいいの?」
「はぁ?」
「気持ちいことしてあげてもいいよ」
荒木くんの顔が近づいてくる。
私は、まじかで見た荒木くんの顔。
みんなが騒ぐのも分かる。
私より長いまつげ、高い鼻、薄い唇。
モデルのような顔で、爽やかな香り。
パシッ
私は、ギリギリのところで荒木くんの顔にビンタする。
「調子に乗らないで。麻衣子のこと黙っていればそれでいいから」
私は教室に戻る。
「凜っ!」
麻衣子が駆け寄る。
「大丈夫。荒木くんには言っといたから」
「ありがとう~」
「もう、荒木くんに会わないでよ!」
「うん。ありがと」
「何々?」
彩加が寄ってくる。
「あ、いや」
「凜が、宿題見せてくれたの」
「そうそう」
「麻衣子。宿題ぐらい自分でやんな」
心愛が言った。
「ほんとだよ。凜も優しすぎ」
真琴も心愛に続いて言う。
「そうだね。麻衣子、次から気をつけて」
「はーい」
放課後になり今日は茉奈がいないので寄り道せずに帰る。
「じゃ、うち部活あるから」
「私も、塾があるので」
「彩加も、家のことあるから」
次々と帰っていく。
「凜。今日も話があるの」
「うん・・・」
私たちは無言のまま公園に行く。
もう6時を過ぎてるせいか公園には誰もいない。
私たちはベンチに座った。
「話しって何?」
「実は、荒木くんと付き合うことになった」
「は!?どういうこと?茉奈とは別れたの?」
「ううん。今日別れるって。私のこと好きって言ってくれて」
「ちょっと。茉奈に知られたらどうなるか分かってるの!?」
「うん。ハブられるに決まってるし、それ以上じゃすまないかもしれない」
「じゃあ、なんで!茉奈とは小学校からの親友でしょ!そんな簡単に裏切ってもいいの!?」
「凜には分かんないよ!私の荒木くんへの気持ち」
「え?」
「私はずっと荒木くんが好きだった。なのに、転校してきた茉奈に取られるなんて!今まで、どんなに苦しかったか!」
「だからって、どうして荒木くんなの!?」
「荒木くんは私が困ってるときにいつも側にいてくれた」
「それは、茉奈も一緒じゃないの?」
「うるさい!もういい。凜に話した私がバカだった」
麻衣子はカバンを持って走っていった。
「麻衣子。待って」
でも途中で見失ってしまった。
次の日、麻衣子は学校を休んだ。
放課後。
「凜。ちょっと話があるの」
「うん・・・」
私は茉奈に呼ばれ、誰もいない美術室に行く。
「凜は私たちの味方よね?」
「え?」
ガラガラッ
すると、真琴、心愛、彩加が入ってきた。
「凛。私たちに隠してることあるよね?」
「えっ」
心臓がドキドキと物凄い早さで音がなる。
「同じ事務所の子が玲央と麻衣子が仲良さそうに歩いてるのを見たって」
「あのね。うちら凛と麻衣子が話しているの聞いちゃったんだよね」
真琴が心愛と目を合わせた。
「偶然会って、そしたら凛と麻衣子が公園で話しているの聞いちゃって」
「それで、茉奈に話して、荒木くんに聞いたら。麻衣子に無理やり誘われたって・・・」
「ねえ。凛」
茉奈の顔は悪魔のような顔をして私の顔に近づいた。
「凜はさ。麻衣子のこと許せる?」
「え!?」
「凛。麻衣子には罰が必要だと思わない?」
「えっ」
「あいつ。分からないなら思い知らせるしかないよね?みんなもそう思うでしょ?」
「「・・・」」
「じゃあ、凜。あんたが麻衣子の代わりにいじめられたい?」
「それは・・」
「じゃ、明日から麻衣子いじめ始めましょ!」
その時の茉奈を止められる人なんて誰もいなかった。
みんないじめられるのが怖かった。
茉奈はお金持ちで学校にお金を寄付している。
茉奈に逆らったりしたらこの学校にはいられない。
前に、茉奈に怒った先生が1ヶ月後に学校を辞めた。
お父さんにいって首にしたのだろう。
その日から茉奈に逆らってはいけないとみんなが思った。
だから私も茉奈にノーなんて言えない。
答えはイエスしかないのだから。
茉奈が話し始める。
「何それ!?」
麻衣子がすぐに食らいつく。
「お姉ちゃんから聞いたんだけどさ、この学校で20年くらい前に不可解な事故が怒ったんだって」
「「えー」」
「最後まで聞いてよ。当時いじめられていた女の子が教室で首を吊って死んだんだって。それから、そのクラスのみんな死んじゃったんだって」
「ゴクッ」
唾を飲み込む。
「それで、そのいじめられた女の子の呪いなんじゃないかって。その子にあうとなんでも願いを叶えてくれるんだと」
ガラガラッ
「「きゃーーーー」」
入ってきたのは体育教師の山田先生。
「お前ら、下校時間とっくに過ぎてるぞ!早く帰れ!」
私たちは教室を後にする。
「山田の奴いいところで来るなんて!」
天壌茉奈。
中学生には思えないほどかわいくて、読者モデルをしていて、玲央君という学年人気の彼氏がいる。
お父さんは有名な会社の社長。
「本当だよ。まぢ空気読めって感じ」
菅保麻衣子。
茉奈とは幼稚園からの親友で茉奈と同じ読者モデルをしている。
「てか、彩加ビビりすぎ!」
「だって、怖いじゃん!!」
上地彩加。
中学に入って仲良くなった。
親は共働きで、一人っ子。
「彩加のビビり方にビビったから!!」
大野真琴。
バスケ部のキャプテンで、ショートカットが似合う。
3年生の彼氏とラブラブだ。
「心愛!あんたもビビってたよね」
「はあ。怖くないから!あんなの」
岩田心愛。
学年で1番頭がよくて、無口。
顔はきれいな顔をしてるが近づきにくい存在。
「ねえ。凜は怖かった?」
「え?うん。怖かった」
そして、私、藤堂凜。
家族も顔も、普通。
なぜ、このグループに入れたのか自分でも不思議に思う。
「じゃあ、私これから撮影あるから」
茉奈はそう言って帰る。
「私、塾があるから」
心愛も帰っていく。
「私たちも、帰るね」
彩加と真琴も帰る。
「ねえ、凜」
「ん?」
「話があるから、ファミレス行かない?」
「うん」
麻衣子から初めて誘われた。
私たちは、近くのファミレスに入る。
「いらっしゃいませ」
定員さんの明るい声。
「席へご案内いたします」
「はい」
麻衣子の声は元気がない。
「ごゆっくりどうぞ」
定員さんはキッチンの方へ行った。
「麻衣子。話しって?」
「もし、私が1人になっても凜は裏切らないでね」
「え?」
「私、凜のこと信じてるから」
「う、うん」
「お飲み物でございます」
定員さんは水を持ってくる。
「ご注文はおきまりでしょうか?」
「えっと。ドリンクバーで」
「私も」
「かしこまりました」
麻衣子は、水を一気に飲んだ。
「実は、荒木くんに告白したの」
「荒木くんって。茉奈の彼氏だよ!」
「うん。でも、この気持ち抑えられなくて」
「茉奈には?」
麻衣子は首を横に振った。
「でも、告白しただけでしょ?」
「それが、デートしたんだよね」
「デートって、茉奈に知られたらやばいよ」
「どうしよう。荒木くん茉奈に言ったりしないかな」
「大丈夫だよ。浮気してたんだし」
「うん・・・」
「この話、誰が知ってる?」
「荒木くんと、凜だけ」
「分かった。荒木くんには私からも話しておく」
「凜。ありがとう」
「ううん」
このことが知られてはまずい。
茉奈は荒木くん一筋で、小学校5年から今まで3年も付き合っている。
もし、このこと知ったら麻衣子はぶられるに決まってる。
私は、荒木くんに話をつけることにした。
次の日、茉奈は昨日の撮影で疲れて学校を休んだ。
私は、荒木くんを屋上に呼んだ。
「話しって何?」
「麻衣子のこと」
「・・・」
「浮気したんでしょ。私は、荒木くんを許さない」
「俺になにしろと」
「麻衣子のこと茉奈に黙ってて」
「そんなことでいいの?」
「はぁ?」
「気持ちいことしてあげてもいいよ」
荒木くんの顔が近づいてくる。
私は、まじかで見た荒木くんの顔。
みんなが騒ぐのも分かる。
私より長いまつげ、高い鼻、薄い唇。
モデルのような顔で、爽やかな香り。
パシッ
私は、ギリギリのところで荒木くんの顔にビンタする。
「調子に乗らないで。麻衣子のこと黙っていればそれでいいから」
私は教室に戻る。
「凜っ!」
麻衣子が駆け寄る。
「大丈夫。荒木くんには言っといたから」
「ありがとう~」
「もう、荒木くんに会わないでよ!」
「うん。ありがと」
「何々?」
彩加が寄ってくる。
「あ、いや」
「凜が、宿題見せてくれたの」
「そうそう」
「麻衣子。宿題ぐらい自分でやんな」
心愛が言った。
「ほんとだよ。凜も優しすぎ」
真琴も心愛に続いて言う。
「そうだね。麻衣子、次から気をつけて」
「はーい」
放課後になり今日は茉奈がいないので寄り道せずに帰る。
「じゃ、うち部活あるから」
「私も、塾があるので」
「彩加も、家のことあるから」
次々と帰っていく。
「凜。今日も話があるの」
「うん・・・」
私たちは無言のまま公園に行く。
もう6時を過ぎてるせいか公園には誰もいない。
私たちはベンチに座った。
「話しって何?」
「実は、荒木くんと付き合うことになった」
「は!?どういうこと?茉奈とは別れたの?」
「ううん。今日別れるって。私のこと好きって言ってくれて」
「ちょっと。茉奈に知られたらどうなるか分かってるの!?」
「うん。ハブられるに決まってるし、それ以上じゃすまないかもしれない」
「じゃあ、なんで!茉奈とは小学校からの親友でしょ!そんな簡単に裏切ってもいいの!?」
「凜には分かんないよ!私の荒木くんへの気持ち」
「え?」
「私はずっと荒木くんが好きだった。なのに、転校してきた茉奈に取られるなんて!今まで、どんなに苦しかったか!」
「だからって、どうして荒木くんなの!?」
「荒木くんは私が困ってるときにいつも側にいてくれた」
「それは、茉奈も一緒じゃないの?」
「うるさい!もういい。凜に話した私がバカだった」
麻衣子はカバンを持って走っていった。
「麻衣子。待って」
でも途中で見失ってしまった。
次の日、麻衣子は学校を休んだ。
放課後。
「凜。ちょっと話があるの」
「うん・・・」
私は茉奈に呼ばれ、誰もいない美術室に行く。
「凜は私たちの味方よね?」
「え?」
ガラガラッ
すると、真琴、心愛、彩加が入ってきた。
「凛。私たちに隠してることあるよね?」
「えっ」
心臓がドキドキと物凄い早さで音がなる。
「同じ事務所の子が玲央と麻衣子が仲良さそうに歩いてるのを見たって」
「あのね。うちら凛と麻衣子が話しているの聞いちゃったんだよね」
真琴が心愛と目を合わせた。
「偶然会って、そしたら凛と麻衣子が公園で話しているの聞いちゃって」
「それで、茉奈に話して、荒木くんに聞いたら。麻衣子に無理やり誘われたって・・・」
「ねえ。凛」
茉奈の顔は悪魔のような顔をして私の顔に近づいた。
「凜はさ。麻衣子のこと許せる?」
「え!?」
「凛。麻衣子には罰が必要だと思わない?」
「えっ」
「あいつ。分からないなら思い知らせるしかないよね?みんなもそう思うでしょ?」
「「・・・」」
「じゃあ、凜。あんたが麻衣子の代わりにいじめられたい?」
「それは・・」
「じゃ、明日から麻衣子いじめ始めましょ!」
その時の茉奈を止められる人なんて誰もいなかった。
みんないじめられるのが怖かった。
茉奈はお金持ちで学校にお金を寄付している。
茉奈に逆らったりしたらこの学校にはいられない。
前に、茉奈に怒った先生が1ヶ月後に学校を辞めた。
お父さんにいって首にしたのだろう。
その日から茉奈に逆らってはいけないとみんなが思った。
だから私も茉奈にノーなんて言えない。
答えはイエスしかないのだから。