終わらない
始まったいじめ 藤堂凜
いつもと変わらない朝。
青々とした空。
朝から元気な声が聞こえる。
でも、私は学校に行くのは憂鬱で仕方なかった。
「凛。おはよ」
校門で彩加と心愛に会った。
「おはよう」
いつもと変わらない会話。
教室に入るといつもの教室だった。
ただ一つ違うのは、麻衣子の机がないこと。
「あ。みんなおっは」
茉奈が笑顔で駆け寄った。
「あ、おはよう」
「ねえねえ。昨日さ、玲央とデートしたんだ」
誰も麻衣子の机がないことを口にしない。
ガラガラッ
入ってきたのは麻衣子だった。
そして、自分の席がないことに気づいた。
青ざめた顔で私たちの方を見た。
私は目が合ったがすぐにそらした。
「ねえ。臭くない?」
茉奈が言うとみんなが頷いた。
「あ、こいつのせいか!」
茉奈は自分の鞄から消臭スプレーを取り出した。
そして、麻衣子にスプレーをかけた。
「茉奈!何すんの?」
「はあ。気やすく名前呼ぶなよ」
麻衣子は私の腕をつかんだ。
「凜!どうゆうことか説明して!」
「えっ」
私は茉奈の方を見る。
「凜。分かってるよね?」
バッ
私は麻衣子の腕を振りほどした。
「凜・・・」
私はその時の麻衣子の顔を見れなかった。
私は自分のしたことに後悔をした。
お昼休み。
茉奈が麻衣子の弁当を取り、ゴミ箱に捨てる。
ザワザワッ
教室が一気に騒ぎ始めた。
「麻衣子。なんでこんなことされてるかわかるよね?」
「・・・」
「黙ってないで何か言えよ!」
「茉奈・・・ごめん」
「はあ。そんなんで済まされないから!」
この時、茉奈を止めておけばよかった。
そしたらあんなこと起こらなかったのに・・・。
「じゃあ、何したら許してくれる?」
「そうね・・・。じゃあ、放課後万引きしてきて」
「えっ。・・・分かった。それで許してくれるなら」
「放課後。教室で待ってて」
茉奈は私たちのグループに戻ってくる。
「ねえ。茉奈。本気?」
「当たり前でしょ!許さないからあいつ」
もう後に戻れない。
茉奈を止められない。
その時茉奈の恐怖を感じた。
放課後になり教室には茉奈、心愛、彩加、真琴、私、そして麻衣子の6人だけになった。
私たちはデパートに行く。
そして、アクセサリーショップに入った。
「麻衣子。あそこに飾られているネックレス人数分取ってきて」
「え。人数分って彩加たちもはいてるの!?」
「当たり前でしょ。それとも何?彩加はいらないの?」
「ううん。そうじゃないけど・・・」
「麻衣子。早く行けよ」
茉奈は麻衣子の背中を押した。
麻衣子はゆっくりネックレスのところに向かう。
そして、ネックレスを手に取り鞄に入れようとした。
「だめっ!」
私は、とっさに麻衣子の腕を掴んだ。
「凜っ」
そして、麻衣子を引っ張ってお店を出た。
「凜!どうゆうことよ!」
カンカンに怒った茉奈が私に尋ねる。
「あの、それは・・・」
「実は、警備員が近くにいてさ。もしばれて捕まったらやばいからって凜が止めに行ったんだよ!」
心愛がフォローしてくれた。
「う、うん。捕まったらうちらも捕まるし。だから・・・」
「凜」
茉奈が大きな声で言った。
「ありがと~。うちらのこと心配してくれて」
「ううん。友達だから当たり前だよ」
友達・・・。
私たちって本当に友達なのかな。
友達って何だろう。
「今日は遅いから帰ろっ」
真琴が言うとみんなそれぞれ帰っていく。
ガチャ
「ただいま」
リビングの方から声が聞こえる。
「あなたはいつも仕事仕事。たまには手伝ってくださいよ!」
「俺だって仕事してお前たちを養っているじゃないか!」
「私だって家のことでいっぱいなんです!凜のこと気にかけるなんて」
ガチャ
私はリビングに入る。
「凜。お前、いつからそこに」
「さっき」
「凜。遅かったわね。どこ行ってたの?」
「どこでもいいだろ!お前に関係ねえよ」
「おい。お前って。誰に向かって言ってんだ!」
「てめえもたまにしか帰ってこねえじゃんか!説教なんか聞きたくねえよっ」
私は部屋に行く。
「おい。凜っ」
バタン
この頃ケンカばかり。
早く高校生になって家を出たい。
ピロリ~
メールが来た。
麻衣子からだった。
【さっきはありがとう。
茉奈に話したのって凜なの?】
私は返事を返さず眠った。
次の日、学校に行くと変わらず茉奈たちと行動した。
でも、麻衣子の姿はない。
1人自分の席で本を読んでいた。
茉奈は麻衣子に席に行く。
「昨日はさ失敗したからさ、今日。この教室の誰かの財布盗んでよ」
「えっ」
「なに?出来ないの?」
「・・・分かった。やるよ」
「よし!じゃあ放課後残ってね」
私たちは次の授業の音楽室に行く。
この授業に麻衣子の姿はない。
帰りのホームルームで事件が起こった。
「あれ!?私の財布がない」
麻衣子が財布を盗んだのは茉奈だった。
茉奈は麻衣子のことを睨んだ。
茉奈は麻衣子の席に行き麻衣子の鞄をひっくり返した。
バサバサッ
麻衣子の鞄のものが床に散らばった。
その中に茉奈の財布がある。
みんながざわついた。
それに気づいた先生が近づいた。
「どうしたの!?」
「麻衣子が私の財布盗んだの!」
「本当なの!?菅保さん?」
「私、盗んでなんかいません!」
「じゃあ、これ何?」
「知らない。私じゃない」
でも、みんな麻衣子のこと信じなかった。
「菅保さん。話は職員室で聞くから残ってなさい」
「・・・はい」
「天壌さん。あなたも」
「はい」
私たちは茉奈を職員室に送る。
「麻衣子。まさか茉奈の盗むなんて」
「麻衣子じゃないよ」
茉奈が答える。
「え!?どういうこと?」
真琴が聞く。
「私が入れたの。そしたら麻衣子。ここにいられなくなるでしょ。あはは。いい気味」
「「あははははっ」」
ほかのみんなも笑う。
「茉奈。頭いいね」
「心愛に言われるなんてうれしい」
「演技うまいね」
彩加が言った。
私はもうみんな自分を守ることでいっぱいなんだと感じた。
「じゃ、ここでいいから」
「うん。頑張ってね女優さん」
「うん。ばいばい」
「「ばいばい」」
それから私たちはそれぞれに帰った。
「ただいま」
「あ、お帰り。今日は早いね」
「・・・」
「凜。ご飯食べる?」
「いらねえよ」
私は部屋に行く。
ピロリ~
心愛からだ。
【私たち話し合って麻衣子のこと本気でいじめることにしたから。
そうでもしないと、いつ自分がいじめられるか分からないしさ。
だから、凜ももう麻衣子かばうの止めなよ】
返事を返した。
【うん。分かった。もうかばったりしない】
自分の身は自分で守らなきゃ。
結局は自分が一番かわいいのだ。
私はリビングに行く。
「凛。学校楽しい?」
私は冷蔵庫を開けてコップに水を注ぐ。
「今日のご飯凜の好きな肉じゃがだよ」
コップの水を飲みほしてテレビに目をやる。
「お腹すいたでしょ?今入れるね」
ご飯の支度を始めた。
「おい」
肩をビクッとさせ振り返る。
「なに?」
「生きてて楽しい?」
しばらく黙り込んだ。
「楽しいよ。凜がいて、お父さんがいて」
「じゃあさ、何でいつも苦しそうなの?」
「ごめんなさい。・・・許して下さい」
その場にしゃがみ込む。
私はテレビを消して部屋に戻った。
青々とした空。
朝から元気な声が聞こえる。
でも、私は学校に行くのは憂鬱で仕方なかった。
「凛。おはよ」
校門で彩加と心愛に会った。
「おはよう」
いつもと変わらない会話。
教室に入るといつもの教室だった。
ただ一つ違うのは、麻衣子の机がないこと。
「あ。みんなおっは」
茉奈が笑顔で駆け寄った。
「あ、おはよう」
「ねえねえ。昨日さ、玲央とデートしたんだ」
誰も麻衣子の机がないことを口にしない。
ガラガラッ
入ってきたのは麻衣子だった。
そして、自分の席がないことに気づいた。
青ざめた顔で私たちの方を見た。
私は目が合ったがすぐにそらした。
「ねえ。臭くない?」
茉奈が言うとみんなが頷いた。
「あ、こいつのせいか!」
茉奈は自分の鞄から消臭スプレーを取り出した。
そして、麻衣子にスプレーをかけた。
「茉奈!何すんの?」
「はあ。気やすく名前呼ぶなよ」
麻衣子は私の腕をつかんだ。
「凜!どうゆうことか説明して!」
「えっ」
私は茉奈の方を見る。
「凜。分かってるよね?」
バッ
私は麻衣子の腕を振りほどした。
「凜・・・」
私はその時の麻衣子の顔を見れなかった。
私は自分のしたことに後悔をした。
お昼休み。
茉奈が麻衣子の弁当を取り、ゴミ箱に捨てる。
ザワザワッ
教室が一気に騒ぎ始めた。
「麻衣子。なんでこんなことされてるかわかるよね?」
「・・・」
「黙ってないで何か言えよ!」
「茉奈・・・ごめん」
「はあ。そんなんで済まされないから!」
この時、茉奈を止めておけばよかった。
そしたらあんなこと起こらなかったのに・・・。
「じゃあ、何したら許してくれる?」
「そうね・・・。じゃあ、放課後万引きしてきて」
「えっ。・・・分かった。それで許してくれるなら」
「放課後。教室で待ってて」
茉奈は私たちのグループに戻ってくる。
「ねえ。茉奈。本気?」
「当たり前でしょ!許さないからあいつ」
もう後に戻れない。
茉奈を止められない。
その時茉奈の恐怖を感じた。
放課後になり教室には茉奈、心愛、彩加、真琴、私、そして麻衣子の6人だけになった。
私たちはデパートに行く。
そして、アクセサリーショップに入った。
「麻衣子。あそこに飾られているネックレス人数分取ってきて」
「え。人数分って彩加たちもはいてるの!?」
「当たり前でしょ。それとも何?彩加はいらないの?」
「ううん。そうじゃないけど・・・」
「麻衣子。早く行けよ」
茉奈は麻衣子の背中を押した。
麻衣子はゆっくりネックレスのところに向かう。
そして、ネックレスを手に取り鞄に入れようとした。
「だめっ!」
私は、とっさに麻衣子の腕を掴んだ。
「凜っ」
そして、麻衣子を引っ張ってお店を出た。
「凜!どうゆうことよ!」
カンカンに怒った茉奈が私に尋ねる。
「あの、それは・・・」
「実は、警備員が近くにいてさ。もしばれて捕まったらやばいからって凜が止めに行ったんだよ!」
心愛がフォローしてくれた。
「う、うん。捕まったらうちらも捕まるし。だから・・・」
「凜」
茉奈が大きな声で言った。
「ありがと~。うちらのこと心配してくれて」
「ううん。友達だから当たり前だよ」
友達・・・。
私たちって本当に友達なのかな。
友達って何だろう。
「今日は遅いから帰ろっ」
真琴が言うとみんなそれぞれ帰っていく。
ガチャ
「ただいま」
リビングの方から声が聞こえる。
「あなたはいつも仕事仕事。たまには手伝ってくださいよ!」
「俺だって仕事してお前たちを養っているじゃないか!」
「私だって家のことでいっぱいなんです!凜のこと気にかけるなんて」
ガチャ
私はリビングに入る。
「凜。お前、いつからそこに」
「さっき」
「凜。遅かったわね。どこ行ってたの?」
「どこでもいいだろ!お前に関係ねえよ」
「おい。お前って。誰に向かって言ってんだ!」
「てめえもたまにしか帰ってこねえじゃんか!説教なんか聞きたくねえよっ」
私は部屋に行く。
「おい。凜っ」
バタン
この頃ケンカばかり。
早く高校生になって家を出たい。
ピロリ~
メールが来た。
麻衣子からだった。
【さっきはありがとう。
茉奈に話したのって凜なの?】
私は返事を返さず眠った。
次の日、学校に行くと変わらず茉奈たちと行動した。
でも、麻衣子の姿はない。
1人自分の席で本を読んでいた。
茉奈は麻衣子に席に行く。
「昨日はさ失敗したからさ、今日。この教室の誰かの財布盗んでよ」
「えっ」
「なに?出来ないの?」
「・・・分かった。やるよ」
「よし!じゃあ放課後残ってね」
私たちは次の授業の音楽室に行く。
この授業に麻衣子の姿はない。
帰りのホームルームで事件が起こった。
「あれ!?私の財布がない」
麻衣子が財布を盗んだのは茉奈だった。
茉奈は麻衣子のことを睨んだ。
茉奈は麻衣子の席に行き麻衣子の鞄をひっくり返した。
バサバサッ
麻衣子の鞄のものが床に散らばった。
その中に茉奈の財布がある。
みんながざわついた。
それに気づいた先生が近づいた。
「どうしたの!?」
「麻衣子が私の財布盗んだの!」
「本当なの!?菅保さん?」
「私、盗んでなんかいません!」
「じゃあ、これ何?」
「知らない。私じゃない」
でも、みんな麻衣子のこと信じなかった。
「菅保さん。話は職員室で聞くから残ってなさい」
「・・・はい」
「天壌さん。あなたも」
「はい」
私たちは茉奈を職員室に送る。
「麻衣子。まさか茉奈の盗むなんて」
「麻衣子じゃないよ」
茉奈が答える。
「え!?どういうこと?」
真琴が聞く。
「私が入れたの。そしたら麻衣子。ここにいられなくなるでしょ。あはは。いい気味」
「「あははははっ」」
ほかのみんなも笑う。
「茉奈。頭いいね」
「心愛に言われるなんてうれしい」
「演技うまいね」
彩加が言った。
私はもうみんな自分を守ることでいっぱいなんだと感じた。
「じゃ、ここでいいから」
「うん。頑張ってね女優さん」
「うん。ばいばい」
「「ばいばい」」
それから私たちはそれぞれに帰った。
「ただいま」
「あ、お帰り。今日は早いね」
「・・・」
「凜。ご飯食べる?」
「いらねえよ」
私は部屋に行く。
ピロリ~
心愛からだ。
【私たち話し合って麻衣子のこと本気でいじめることにしたから。
そうでもしないと、いつ自分がいじめられるか分からないしさ。
だから、凜ももう麻衣子かばうの止めなよ】
返事を返した。
【うん。分かった。もうかばったりしない】
自分の身は自分で守らなきゃ。
結局は自分が一番かわいいのだ。
私はリビングに行く。
「凛。学校楽しい?」
私は冷蔵庫を開けてコップに水を注ぐ。
「今日のご飯凜の好きな肉じゃがだよ」
コップの水を飲みほしてテレビに目をやる。
「お腹すいたでしょ?今入れるね」
ご飯の支度を始めた。
「おい」
肩をビクッとさせ振り返る。
「なに?」
「生きてて楽しい?」
しばらく黙り込んだ。
「楽しいよ。凜がいて、お父さんがいて」
「じゃあさ、何でいつも苦しそうなの?」
「ごめんなさい。・・・許して下さい」
その場にしゃがみ込む。
私はテレビを消して部屋に戻った。