【完】ズルい瞳[短編]
「ほら、サッサと片付けて行くぞ?」
「え……ど、どこに」
「資料室に決まってんだろ?あっこなら冷房効いてるし」
「…………」
「学校に来た以上は、俺の手伝いをしてもらう」
そう言うや否や、蒼ちゃんは手際よく筆やパレットを洗い始める。
「…………」
納得できたのか、どうか
自分でも些か疑問ではあったけど
とりあえず蒼ちゃんに続いて私も片付けを始めた。
しばらくして
「夏休み始まったけど、お前どっか遊びに行くのか?」
筆の水気を布で丁寧に拭き取りながら、蒼ちゃんが不意にそんなことを尋ねてきた。
思わず面食らってしまう。が
「あ……あぁ、はい」
それだけ答えると
「………そっか」
と、何故か蒼ちゃんまでもが素っ気なく答えるもんだから
「…………」
「…………」
2人の間に、変な“間”が出来てしまった。