【完】ズルい瞳[短編]
信之介くんはジーンズのポケットから携帯を取り出し
その着信先を見て、あからさまに嫌な顔をした。
「どうしたの?」
「あ、いや。何でもないよ」
そう言うと信之介くんは、携帯を無理矢理切るという暴挙に出る。
「え?大丈夫なの?」
「あぁ、平気平気。そんなことより、あおい姫さぁ……」
と、言った矢先には
♪♪♪♪
再度、携帯は鳴り響く。
「信之介くん、出た方がいいよ。緊急かもしれないし」
「いや、だって城崎だよ?嫌な予感しかしねぇよ」
「え………」
そうこうしている間にも、携帯の着信は切れてしまう。
「ふ……諦めたか」
信之介くんは相当勝ち誇った顔をしていたけど
しばらくすると
「信之介~っ!城崎っちが大至急、学校に来いって~!」
まさかの刺客・美佳が前の方で大きく手を振っていた。
「………ち、チクショー!!」
信之介くんは観念したかのよう
何かを吹っ切るようにして走り去って行く。