【完】ズルい瞳[短編]



「こんなこともあろうとな、弁当を2つ買っておいたんだ」




疲労の色は隠せないけれど




それでも蒼ちゃんはお弁当の入った袋を手に、自慢気に笑ってみせた。




「で、でも………」




こんなとこ、他の誰かに見られでもしたら……。




「………」




思わず首を横に振る。




「ばーか、心配は無用だ。念のために鍵も掛けたし、他の先生も今日はここには来ねぇよ」




「で、でもだからって……」




「あぁ~もうごちゃごちゃ言ってると飯食わせねぇぞ?」




「………」




「ほーら。食うのか?食わねぇのか?」




おちょくるようにして、私の目の前にお弁当をぶら下げてくる蒼ちゃん。




「た、食べます……」




「ん?何だって?」




「食べますっ!」




「よし、いい子だ」




資料室の奥の冷蔵庫からペットボトルのお茶と




「ふふ。お前の好きなプリンも買っといたぜ?」




そう言うと、蒼ちゃんは本当に嬉しそうに笑った。




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