【完】ズルい瞳[短編]
「ほら、あおい。な?機嫌直せって」
「…………」
私は蒼ちゃんに背を向けたまま、ひたすら無言を貫く。
「ったく、じゃあコレで許せ」
そう言われたかと思ったら
背後から急に優しく抱きしめられる。
そして、左手に蒼ちゃんの大きな手が重なり
「あ………」
その薬指にはキラリと光るエンゲージリングがはめられていた。
「俺からの卒業は認めないが、幼なじみからの卒業という証だ」
「蒼ちゃん……」
「なんて。こういうことは誤魔化さず、きちんと伝えなくちゃな」
「え」
クルリと体勢を変えられ
真っ正面には……真面目な顔した蒼ちゃんの姿。
「あおい」
「は、はい」
「結婚してくれるよな?俺と」
すごく蒼ちゃんらしい
俺さま的な、プロポーズ。
「はいっ!」
ありったけの笑顔で
私は蒼ちゃんの胸に飛び込む。
「お、おい!ばか、ここ学校…」
「いいの!蒼ちゃん大好き」
「あぁ、俺も……愛してるよ」
「あ……ズルい。私も……愛してる」
「ばーか。子供にはまだ早ぇよ」
そう言って蒼ちゃんは眩しそうに微笑んだ。
Fin