俺様不器用男子の甘い愛情



やめられる内にちゃんとブレーキ。


そっと唇を離せば、ぎゅっと俺の腕を掴んで胸に倒れ込む。


そのまま、抱きしめてあげればもっと強く俺にくっつく。


「甘えんぼ」

「だって……隼世くんが……あんなキスするからっ」

「俺が悪いの?茉璃だって拒まなかったくせに~」

「そっ、それは……。もう意地悪しないで下さい!」

「無理。俺にイジメられてる時の茉璃が最高にかわいいから」



顔を真っ赤にして、顔を埋める茉璃の頭を撫でながら主役を取り出す。


俺にしがみつく左手をそっと取って、細い薬指に指輪を付けた。


俺からのお返し。


「えっ……隼世くん!この指輪って……」

「鈍感でもさすがに気付くだろ?」

「隼世くん付けてるのとお揃い……。それで今日の朝から指輪付けてたんですねっ」

「その通り」


しばらく、シンプルなシルバーリングを俺のと自分の交互に眺める。


泣きそうな表情でも、笑いながら優しく言った。


「ありがとう……隼世くんっ」


< 230 / 334 >

この作品をシェア

pagetop