俺様不器用男子の甘い愛情
【茉璃side】
5月のポカポカ陽気。
暖かくて快適で、気分もそれなりに良いはずなのに………
物足りない……。
あたしの大好きな人が物足りないです……。
「茉璃」
呼ばれて振り向くけど違う………
隼世くんじゃないよ……。
「どうしたの?そんな元気ない顔して?」
「ううん。何でもないです」
「茉璃らしくないね。話聞くよ?」
「大丈夫」
愛想笑いで誤魔化す相手は有阪くん。
確かに、有阪くんは初恋の相手であんなに思い焦がれた相手。
でも今は……ずっと前からもう違うよ。
あたしが好きなのは今でも隼世くん、ただ一人なの。
放課後の暖かい風があたしを包む。
大好きな人に別れを告げた日も、こんな天気だったっけ。
つい2週間前のことが、今でも鮮明に覚えてる。
早く………忘れたいのに。