来い恋
慌ててドアを開けると大きな紙袋を持った亮輔さんが
少々ふてくされ気味に立っていた。
「ごめんなさい!ちょっと寝ちゃってたみたいで・・・」
亮輔さんは部屋に入るなり荷物をテーブルの上にのせると
ドカッと椅子にすわりネクタイを緩めた。
そして大きく息を吐く
「疲れた~~~」
本当に疲れてる・・そんな顔だった。
「仕事大変だったんですね」
するとまた大きなため息をつく
「仕事じゃなくってし・の・み・や」
「へ?」
思わず変な声が出てしまった。
「あいつ本当にしつこくってさー食事に行こうだの、
観光しようだの、ここのスイーツはうまいだの・・・・本当に
あいつしつこすぎ」
わかる気がするってかよーくわかる。
「ここの部屋だってばれないようにしなくっちゃいけないから
エレベーター乗る時なんかひやひやもんだった」
「だったら・・・私日帰りでもよかったんですけど」
すると亮輔さんは私の所まで来るといきなり抱き締め
「嫌だ。離れたくない」
この人こんな甘えん坊だった?
「今夜はこの疲れをたーっぷり芽衣に癒してもらわないと」
そういうと
私の口を塞いだ
唇がはなれると
いたずらっ子の笑みで
「さっきいいもの買って来たんだ~~」
そういってにこにこしながら再び口を塞がれた
一体いいものって何?
一瞬寒気がしたのはエアコンのせいか?
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