来い恋
デパ地下惣菜を堪能する前に缶ビールを1缶飲み干し
2缶目を飲もうとした時だった。
スマホがピロリンと鳴った。
・・・・母からのメールだった。

 <芽依へ
 お見合いの日程が決まりました。
 7月5日水曜日7時ね。
 場所は芽依の会社の近くの紫苑って和食のお店だって。
 当日は私たち親は行かないから
 2人で会ってください。
 ドタキャンは許しませんから必ず行くこと
 吉野って言えば大丈夫だからね。

 そうそう写真みたでしょ~~。いい男♪
 あんたがうらやましいわ~~~
 じゃあ頼んだわよ。  母>

7月5日って・・・明後日じゃん!
何考えてんのうちの親は
しかも2人だけって・・ハードル高すぎるんだけど。
断る前提ではいるけれど明後日は…明後日はないわー

気がつくと2缶目の缶ピールはすっかり汗をかいていて、
ぬるくなってた。
それを一気に飲み干し買ってきた惣菜を食べるが
緊張と気が重いのとでおいしさもわからなくなっていた。
ふーっと大きなため息をついたときにふと課長の言葉を思い出した。

「お断りするにしても写真くらい見てあげなよ。」

そうだった写真見てないんだよね。
断る気ではいるもののやっぱり写真と釣書位は見ておかないと
失礼に当たるよね。
< 11 / 176 >

この作品をシェア

pagetop