来い恋
私の訴えは軽―くスル―され、話を整理することにした。
まず、私の父と課長のお父様がお友達で、それがきっかけでお見合い話がでた。
たしか、母の話では相手の方も乗り気だと言った。
うん。
母さんはそう言った。だからこの話が進んだ・・・
私には事後報告だったけどね・・

「てことはだよ原田課長は見合いの相手が芽依って事を承知の上で
この話を進めたことになる・・・んだよね!」

たしかにそういうことになるよ。

そうなると1週間前の休憩室でのあのやり取りって相当まずかったんだと
今頃気がつき血の気が引いた。

「・・ってことはさー原田課長ってあんたのことが好きなんじゃないの?」

薫の爆弾発言にビール吹きそうになった。
「な・・何言ってんの?冗談やめてよ。どうして課長が私を好きになるの?」
そうよ!そんなはずない。
はっきりいって私はスタイルがずば抜けていいわけでもないし、顔だって地味なつくりだ。
決して目立つタイプじゃない。
私なんかよりずっとずっとスタイルが良くって美人な女性社員は
たくさんいるっていうのに私の事好きとか考えられない。
私をお見合い相手にしたのにはきっとそうしなきゃいけないような理由があったのかもしれない。

たとえば女の人より男の人が好きなんだけど知られるのは何かと困るのでカモフラージュのために・・・とか。
あのルックスだよ。
有名人とお付き合いしてるけどそれがばれるとやばいからこれまたカモフラージュのためのお見合いとか・・・
あーでもない、こうでもないとぶつぶつ言ってるとまた薫が笑いだした。
「さすがだわ。ここまでの深読みできるのはあんたくらいだわ。マンガの読みすぎだね」
深読みしたくもなるよ。
だってこんなのある意味嫌がらせじゃん。
自分の上司とお見合いなんて誰がするの?

私じゃん

益々テンションが下がってきた。

明日のお見合いどうしたらいいのよー!!
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