来い恋
電話を置き、風呂でも入ろうかと思えば今度は薫からの着信。
電話にでればいきなり
『どうだった?!』
だもんなー。
本当に心配してる感じがしない、むしろ面白がってるとしか思えない。
付き合うことを報告したら
『ほらね、私の言った通り!やっぱり課長さんはあんたのこと好きだったじゃん。
きゃ~~マジでマンガ。うふふ・・・よかったねーマンガが本当に恋愛バイブルになったじゃん。
だったらさぁ、これからマジで付き合うならもうちょっとステップアップして
大人なマンガでも読んで勉強したら?』

「大人なマンガ?」
『そう!・・・でもあんたにはこれはハードル高いかな~』
「何?ハードル高いってどんなマンガよ?訳わかんないですけど・・・」
『TL(ティーンズラブ)っていうんだけどさー。少女マンガみたいな絵なんだけど
内容はエロいんだよ。私は結構読むんだけどね。あれはあれでありだよ。』
少女エロマンガってこと?
それに、あれはあれでありって何なんだ?
「エロい?!それってどんだけエロいの?」
『う~~ん。ソフトな内容もあればハード内容・・様々だね。基本エッチあり!これお約束』

ええええええ!マジですか?
それは確かにハードル高すぎる。
って・・課長と付き合うって報告しただけでなんでこんな話になるのさ。
ここまで話が飛躍するものなの?

「なんでそんなもの勧めるのさ~ハードル高すぎるよマジで・・・」
『だってあんたの言う恋愛モノって中高生が読むもんでしょ~~。
あんなのはキス止まりか精々、朝起きたら事が済んでたってやつでしょ~~。
オブラートに包んだような美化したエッチシーン
 でもね、実際は違うんだからね。これからあんたは生身の人間とお付き合いするの。
目が覚めたら隣には大好きな人の寝顔があって・・・なんてことないの!寝顔を見るまでにはね
少女マンガでは描けない、あんなことやこんなことがあるんだから、そこは自覚してもらわないとね。
お付き合いするってそういうことだから!』
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