来い恋
「あれ?そこにいるのって四宮さんと・・吉野?」
さっき電話で話をしてた亮輔さんがどうして?!
でも四宮さんは目がハートになってるし・・・
「原田課長こそどうされたんですか?」
「俺は、出先から直帰で今帰る途中。ビールが切れてた事思いだして
 買いに来たんだけど?お前たちは?」
こんなところで買い物してたらこの辺に住んでるってばれちゃうんじゃないですか
でも私のドキドキなどお構いなしに2人は会話をしている。
「私は晩御飯の買い出しに」
すると亮輔さんはにこにこしながらカートを指さし
「四宮さんの晩御飯ってお菓子なんだ。すっげーな」
わ!四宮さんの顔が一瞬でゆでダコみたいになってる。
そして、視線は私に・・
「吉野は?・・・これってハンバーグの材料?」
ちょ・・ちょっとこれわざとだよね。
顔・・・面白がってるよね。
「そ・・そうです。」
「へ~~。彼氏の部屋でってやつか?」
おおーおいおい。
そうだよ!亮輔さんあなたのリクエストのハンバーグですが
って目で訴えたが効力・・・なし
「課長!そうなんですよ~~吉野さんてば彼氏んちでハンバーグ
作るみたいで、さっきもその彼氏から電話かかってきて、早く帰ってきてね
なーんていってたんですよ~~」
あーなんかどうでもよくなってきた。
こりゃコントだね。
「ハハハハ」
「じゃあー彼氏が待ってるじゃないの?こんなとこで油売ってないで
さっさと彼氏ンとこ行っていちゃついたら?」
「もう~~課長ったら~~いちゃついてなんてエッチ~~」
もう二人で勝手にコントやってて・・・私は疲れた。
一度頭を下げると
「では彼が首を長ーくして待ってますんでお先に失礼します。」
すれ違いざまに思いっきり亮輔さんをにらんでやったが
これも効力なさそう。

レジで会計を済ませ帰ることにした。

さっきはちょっとむかついたけど、考えてみると
会社の人がいるって教えたから
わざわざ来てくれたのかな。
そう思ったらさっきはちょっときつい言い方しちゃったかも。
亮輔さん・・・ごめんなさい。
よーし!家に着いたらおいしいハンバーグ作ってうならせてやるー!
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