春
「ねぇ、悠希くん、どこに行くの?」
追ってくる様子を見せなかったマコちゃんたちをいいことに、悠希くんはどんどんあたしを引っ張って行く。
「楽しいところ!」
「…どこなの?」
「いいところ!」
「…悠希くん…」
「なに?」
「………」
「どうしたの?どこか痛いの?」
立ち止まって心配してくれてるけど…この子天然なの?
「…違うよ」
「よかった!」
また歩き出す悠希くん。
本当にどこに向かってるの?
マコちゃんたちは知らん顔だし。
「ん〜。葵水着持ってる?」
ゆっくりと立ち止まって振り返る悠希くん。
「…持ってきてないよ」
「じゃあ貸してあげる!」
「えっ?海に入るの?」
「うんん、プールだよ」
「え、いいよ、あたし泳げないし」
「泳がないよ?ボートで引っ張ってもらうの!」
「どういう…」
「早く行こ!」