未完成と先生と
「ま、幸菜は大学行って勉強してるのが似合うよ♪」
「それはガリガリ勉強マンが私に似合う、と?」
「侮辱してるわけではないのよ、幸菜ちゃん?」
「まったくもう」
「でもさ、幸菜こそ大学行ってなにするの?」
大学行ってなにする、かぁ。
目標なんて何も無いな…
ただいい大学行っていい会社に就職して幸せに暮らしたい。
それくらいしか考えたことない。
「特に…ないかな」
まー、そっか、と早那。
「いつか幸菜も見つかるよ、やりたいこと!」
「だね。見つかるといいな、やりたいこと」
そうして私たちは長いスカートをひらひらさせながら帰った。
< 5 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop