カッパァ華
「政吉……」



「おとうちゃん……大人たちは、ひどいよ……ひどすぎるよ……
何も悪さをしてないカッパァを殺そうとするなんて……
なにが、安全な村にだよ……」



「政吉。大人たちは、大勢集まって決めたことらしい」



「大勢やから、なにをしてもいいのか?」



「政吉の言う通りや。大勢やから強くなった気持ちになったらあかんのや」



「俺、そんな大人はイヤや!」



「それをしっかり理解しただけでも、おとうちゃんは嬉しいよ、政吉」



辛いことが目の前にあったときに、間違いを理解できる政吉を父親は、優しく見守っていたのだ。

< 111 / 193 >

この作品をシェア

pagetop