カッパァ華
それからも政吉は、来る日も来る日も河童山の池に足を運んでいたが、池には浮いて死んでいる生き物ばかりが、目についていた。



「生き物も、池も死んじゃった……
これのどこが安全な村だよ……
動物を殺すのが、大人の言う安全なことなんかよ……」



政吉は危険と書かれた立て看板を見ながら、悲しく呟いていた。



その池には、小さな生き物すら見掛けなくなり、河童の鳴き声も2度と聞かれる事は幼い時の政吉には、なくなっていったのだ。





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