カッパァ華
夕方遅くに自宅に帰った秀樹は、政吉に呼ばれていた。


「なんや? おとん。
カッパァなら、今日もみつからなかってん……
明日から学校やけど、学校終わればすぐに探しに行くから」



「秀樹……よく聞いてくれな……
お父さんの仕事の都合でな、この村から引っ越さなあかんくなったんや……
お前が河童様を探したい気持ちは分かるが、でもな明後日からは遠くに行かないとあかんねや」



「…………なんでや……そんなんイヤや!
なんで引っ越ししやなあかんねん!
俺はこれからもカッパァ探すんや!
この村から出たら、カッパァ探せないやないか!
絶対イヤや! そんなん!」



「秀樹……わかってくれ。
お前には、急なこと過ぎて辛いことを言うてると思う……
でも、仕事でどうしても仕方ないんや……わかってくれ、秀樹……」



「イヤや! 絶対イヤや!」



そう言い残し、秀樹は自分の部屋に駆け込んでいた。


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