カッパァ華
第3話……過去
秀樹は絵を見せながら、父親に今日の出来事を興奮しながら話していた。



「これ今日描いてん!」



「上手く描いたなぁ! 秀樹は、ほんま絵の才能あるな!」



「エヘヘ。やったぁ!
コックさんより、絵描きのほうがいいんかなぁ?」



「ん。コックさん……まぁおいおい考えたらいいわ。
ところで、この絵は想像で描いたんか?」



「ちゃうちゃう! 今日な! 見てん! あそこで!」



「なにをや?」



「カッパァや! カッパァ!
この絵の通りや!
ほんまにおったんやな! カッパァ!」



「見たんか、お前も。
そうか……まだ生き残ってたんやな……
そうかそうか……」



「そんなにカッパァは、生きるの大変やったんか?」



「昔はな、今よりもっと自然がいっぱいやってな、河童様もな暮らしやすかったんだろ。

それが時代が変わるごとに、自然が減ってきてな。
おじいちゃんがいた時代は、もっとたくさんの河童様がいたみたいやぞ」



「難しいな。まぁ俺がカエル捕まえて、カッパァにあげるから、大丈夫!」



「そうかそうか」



「おー! メッチャ一杯捕まえんねん! 明日も!」



秀樹はニコニコしながら、部屋に戻って行った。



「そうか……あれからも河童様まだいてたんやな。
よかった……」



政吉は、秀樹の後ろ姿を見ながら呟いていた。


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