カッパァ華
第5話……子供時代
「ただいまぁ! おとーん!」



「なんや?」



「あんなぁ! 今日なぁ! カッパァがなぁ真横に来てなぁ! 話してん! いや、俺が一人でやったけど! でもなぁ!
話してん!」



「秀樹、落ち着け。ゆっくりでええから」



「おう……あんなぁ! 今日なぁ!」



「秀樹……分かったから。河童様と話したのか?」



「せやねん! 横に座ってん!」



「そうかそうか。河童様が近付いてくるとはなぁ。珍しいこともあるもんや」



「そしたらな! めっーちゃデカイカッパァが2匹出てきてん! びびったわ」


「大きい河童様やと?」



「そうやねん! たぶんあいつの親ちゃうかなぁ!
一匹は片方の手が無かったように見えたけど……」




「片手が…………」



「そうやねん。そう見えたけどなぁ。
どうしたん?おとん?」



「そっか……
そっか……片手がなかったんか……
生きてたんやな……」



そうポツリと呟くと政吉は、静かに話し出した。

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