解けない恋の魔法
「気にしますよ!! だって、このドレスは……あなたが私の為に作ってくれたドレスで……だから、私にとってとても特別なドレスなんです! なのにっ……」

「僕にとっても特別なドレスだよ。大好きな人の為に作ったものだからね。だけどそのドレスよりも、もっと特別で大切なのは、緋雪……君自身だ」

 私が泣き喚くように声を張って思いのたけを口にすると、宮田さんは真剣な表情で射貫くように強く私を見つめてそう言った。

「ドレスはまた作ればいい。今度は君の体にもっとピッタリのものを作ってあげる」

「でも……」

「違うデザインのものがいいなら、またデザインからやり直す。何度でも、緋雪が気に入るものが描けるまで何枚でも描くから」

「宮田さん……」

「僕を、誰だと思ってるの」



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