解けない恋の魔法
「出来たって……納得できるものが描けたってことですか?」

「うん。けっこう自信あるよ。自分の中じゃ手直しは要らないと思うくらい」

「え~、すごい!」

 食いつくように目を輝かせる私を見て、彼がクスリと笑った。

「最近、仕事が絶好調なんだよね。急になにか降臨してくるみたいに、ポーンとデザインが頭の中に浮かぶんだ」

「そういうのを、天才って言うんですよ」

「そうかな? 緋雪と結ばれた次の日から急にそうなったんだけど」

 香西さんが、最近の彼のデザインを見てパワーアップしてると言っていたし、素晴らしい才能だと絶賛していたことを思い出す。

 やっぱりこの人は、天才なんだ。

「出来たデザイン、見せてください」

「ごめん、今ここにはないんだ。事務所にあるから」

「じゃあ、明日事務所に行くので……」

「僕が緋雪の会社に持って行くよ」

「え?」



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