空とシャボンとさくらんぼ



いつものように授業中にあたしは窓から空を見上げた。


今はもう四限目だから、この授業さえ終わればお昼休みになって屋上に行ける。


でも、なんか雨降りそう……大丈夫かな。


天気予報見てくればよかった。


でも桜坂くんいないし、きっと屋上だよね。


でも……今日は上がってないんだよね、シャボン玉。


いつもこの時間には上がるのに。


桜坂くんが学校来てるのも間違いないし。


一、二限目は来てたから。



でも……ちょっとだけ、様子がおかしかったかも。


気のせいかもしれないけど……


目も、あわせてくれなかったし……


気のせいかもだけど。



「はい、今日はここまで。続きは午後から」



チャイムが鳴ってお昼休みになる。


まぁ、行ってみれば分かるよね。



あたしはいつものように屋上へ向かった。












――――――――――――――――――
――――




見慣れた屋上の扉を開いて中に入る。


いつもはすぐ右手の壁に寄りかかって座っているんだけど……


今日、桜坂くんは珍しく屋上のフェンスに寄りかかって外の景色を見ていた。



「桜坂くん」



あたしが声をかけると桜坂くんは小さく返事をしたけど、目線は外を見たままだった。


……なんか、いつもの桜坂くんらしくない。


違和感を感じるような……



「どうしたの?何かあった?」


「……いや、何も」


「そっか……」



なんか、気まずいな。



あたしはなんとなく空を見上げた。


いつもは真っ青な色を見せてくれる空も、今日は灰色の雲が邪魔をしている。



「宗田」


「な、何?」



不意に呼ばれた名前にドキリとしてしまう。


それどころか急速に速くなる心臓。


おとなしくして〜!!と思いながら、表面だけは普通を装う。


でもそんなことも吹っ飛ぶような台詞が屋上に響いた。






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