平凡少女と勘違い王子
……まぁそれ以外にも色々と理由はあるのだが、そんな調子で私は成瀬くんのことが気になり始めた。
そして、無意識に成瀬くんのことを目で追っている自分に気づいたあたりで、私はハッキリと自覚したのだ。
あぁ、私いま成瀬くんに恋してるんだ、って。
それからは、毎日学校に行くのが楽しかった。
隣の席という素晴らしい特権によりいくつかのグループ学習で同じ班になって喜んだり、
教科書のページを見るフリをして居眠りをしている成瀬くんの横顔をチラ見して心の中で悶えたり、
他愛もないことをお喋りして楽しくなったり……
今まで何も思わなかった日常の一つ一つが、すべて大切な宝物のように思えた。
けれど、そんなくすぐったくも甘酸っぱい日々は、驚くほどアッサリと終わりを迎えた。
つまり――思い切って告白して、その結果玉砕したのだ。