彼の秘密と彼女の秘密

16



___瑠璃___


朝。
凛が隣にいる。
それだけで幸せだ。
こんな当たり前の幸せに気づけたのもいろんな意味でおじい様のおかげだね。

「瑠璃、おはようございます」

「凛、おはよう。ねぇ、私が起きちゃうから凛も目が覚めちゃうの?」

「それもあるけど、瑠璃が起きてるのに寝てるなんてもったいないからです」

「照れるよ...」

「緑茶と紅茶、どちらがいいですか?頼んできますよ。
しばらくコーヒーはおあずけですね」

「緑茶。それと甘味が食べたい」

「あはは。瑠璃は食事は食べないで甘味は食べたいって。
僕達の子は甘味好きになりそうですねぇ」

凛が嬉しそうに笑う。
こんな日がもっと続けばいいなぁ...


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