彼の秘密と彼女の秘密


「やっぱり、嵐さんはただものではないらしいですね」

後ろから冷たい里奈の声がする。

「どういう事や。両親が殺されんは嘘だっんか」

「いいえ。本当です。嵐さんが探しているもう1つの死体は
私の弟の物です」

「お前は何者だ」

「私は久賀の忍。今では忍だったというのが正しいですね」

「家族を殺したのはお前なのか」

「いいえ。久賀の者に殺されました。抜けようと家族で決めていたからです」

「忍である以上、この傷等では葬儀にもだせんやろうに、
どうしてここに戻る事にしたんや。あのまま御影の家におっても
誰も咎めはせんかったやろうに」

「ええ。でもあそこにいては、いずれあそこが狙われる。
御影の力を疑っているわけではありません。
それに本当に倒れてしまったのを救ってくださったのは嵐さんですから。
だから、お願いがあります」

「なんや?」


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