彼の秘密と彼女の秘密


門は大きいし、ここだけ森みたいだし...

門から入り口までも長いみたいだし、すごくおおきな池がある。

「ねぇねぇ、凛。あそこにいる鳥、本物かな?めちゃくちゃ大きいよ?」

カラスみたく真っ黒で鷹みたいに大きい鳥が池に架かっている橋にとまっているのだ。

「動かないねぇ。剥製かな?」

「どうでしょう」

「ワン!」

「瑠璃ちゃん、君は何をしているのかな?」

凛がお腹を抱えて笑っている。

「えぇ、びっくりしたら動くかなぁって、つい」

凛はまだ笑っている。

「あ!飛んだよ!!凛!飛んだよ!!」

「本当ですねぇ。綺麗に飛びますねぇ」

「あの鳥ここで飼っているのかなぁ?逃げちゃったのかな?私怒られちゃうのかな?」

「怒られませんよ。大丈夫です。あれはここで飼い慣らされた鳥です」

よかったぁ、と安堵する。

「さぁ、行きますよ。それともその池の鯉を食べるつもりですか?」

「やだやだ!」

私は凛の所まで小走りで行く。

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