彼の秘密と彼女の秘密
女将が入り口まで出迎えてくれる。
「御影様、本日もご贔屓にありがとうございます。お部屋の方、御準備できております」
「ありがとう」
凛って御影って苗字だったんだ。
しかもこんな敷居が高そうな所によく来ているみたいだし。すごいなぁ。
通してくれた部屋は池と庭がよく見える部屋だった。
「瑠璃ちゃん、お酒は飲めますか?」
「うん、麦の黒ウーロン茶割がいいな」
じゃあ、ビールろ麦の黒ウーロン茶割りで、と注文している。
「凛は御影って苗字だったんだね、初耳。よくここにくるの?いつも女の子?」
「そう言えば瑠璃ちゃんの苗字聞いてませんでしたね。僕達知らない事が多いですねぇ」
「話はぐらかしたな!私は錦 瑠璃。ねぇ、本当に家良かったの?」
凛はクスクス笑ってばっかりだ。