俺様とネコ女
そっか。コウに置き換えれば幸せ気分に浸れるかも。隣にいるのはコウ、隣にいるのはコウ………無理だった。


「ねぇ、2人で抜けよっか」

うん。ガチめにムリ。彼のキメ顔に沈黙だ。直視できない。吹き出しそう。これ以上は笑いが堪えられそうにない。

ネコかぶりキャラの私は、課長に「助けて」と目で訴えるしか術がなかった。



「お疲れ様です。遅くなりました」

まさにその時だった。ドアの向うから現れたのは直哉さんだった。


直哉さんの登場に口説き男の注意が逸れた。その隙に、私は課長の隣に避難した。
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