俺様とネコ女
「コウはこころちゃんに優しくしてる?」

「うん。結構べたべたに甘やかしてくれる」

「うわ。マジで?あいつが?いいネタありがとう」

あいつをいじるネタができた。と直哉さんが笑う。


「ネコ扱いされたり、返事が一言だったりもするけど平気。言いたいこと言える口持ってるから私」

「そうだね」

「でもね。本当に毎日楽しくて幸せ」

「朝からノロケごちそうさま」

「おかわりして」

「え。お腹いっぱい」

「コウに愛されてるなって、全身で感じる。大好き。大好きすぎてヤバい」

「胸焼けしてきた」


直哉さんが、肘でぐりぐり押してくる。もう、やめてよと、私もやり返す。

不意に視界に入ってきた、私たちに向けられる好奇の目。会社に向かう女性社員二人が、私たちを見て何か話していた。
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