俺様とネコ女
指定時刻の5分前、指定場所のドアをノックをした。
「営業1課の赤澤です。失礼します」
第2会議室は10人も入ればいっぱいになる、狭い部屋だ。就職試験の最終面接さながらに、専務と人事部長が並んで座っている。
「忙しいのに急に呼び出して悪かったね。適当に座ってください」
専務に、対面する席への着席を促された。
ここはA4サイズの分厚い茶封筒を持って、部屋の隅で立っている。表情を読み取ろうと試みるも、無表情なここからは、何も得られなかった。
何だ、この緊張感。
専務が手元の資料を閉じ、顔を上げた。
「赤澤君はまだ入社5年目だそうだね」
「はい」
「人事ファイルに目を通しました。国立J大学経済学部を卒業。就職試験の筆記はトップの成績ですね。入社後、営業2課で2年。その後は営業1課...素晴らしい営業成績ですね」
「ありがとうございます」
「特に今年5月の、あの早瀬コーポレーションとの大口契約。社を代表してお礼を言わせてください。ありがとう。大変感謝します」
「恐縮です」
「今年は君に、主任として、東京本社に行ってもらうことに決定しました」
ガツン。頭を殴られたような衝撃。
ああ。
ここの涙の原因はこれか。
「営業1課の赤澤です。失礼します」
第2会議室は10人も入ればいっぱいになる、狭い部屋だ。就職試験の最終面接さながらに、専務と人事部長が並んで座っている。
「忙しいのに急に呼び出して悪かったね。適当に座ってください」
専務に、対面する席への着席を促された。
ここはA4サイズの分厚い茶封筒を持って、部屋の隅で立っている。表情を読み取ろうと試みるも、無表情なここからは、何も得られなかった。
何だ、この緊張感。
専務が手元の資料を閉じ、顔を上げた。
「赤澤君はまだ入社5年目だそうだね」
「はい」
「人事ファイルに目を通しました。国立J大学経済学部を卒業。就職試験の筆記はトップの成績ですね。入社後、営業2課で2年。その後は営業1課...素晴らしい営業成績ですね」
「ありがとうございます」
「特に今年5月の、あの早瀬コーポレーションとの大口契約。社を代表してお礼を言わせてください。ありがとう。大変感謝します」
「恐縮です」
「今年は君に、主任として、東京本社に行ってもらうことに決定しました」
ガツン。頭を殴られたような衝撃。
ああ。
ここの涙の原因はこれか。