秘めた恋
あーどこだっけなぁ、絶対どっかで最近耳にしたのに。

そうこうしているうちに目的の場所に着いたらしく彼は、私を無理やり連れて
レストランに入るとコンシェルジュに向かって「vipで。」と伝えた。

彼は、私の方を振り返ると「黙ってついて来い。」と言って私の腕を掴んだまま
案内の人の後ろに彼も続いた。

レストランとは違う薄暗い雰囲気の通りを歩くたび、
どこか変なところに連れて行かれるんじゃないかとびくびくしたが
夜景が見える静かな場所に通され、一瞬にしてテンションが上がった。

「すごい!ここ、綺麗!!」

薄暗い部屋にはほのかにキャンドルが点され、突き当たりにある大きな窓からは
東京のイルミネーションがきらびやかに輝くのが見えた。

「素敵・・・。」

「ここだと静かに食事が出来るからよく来るんだ。」と彼が言うと
慣れた様に部屋の中央に置かれたチェアに腰掛けた。

テーブルに置かれたチャイムを鳴らすとシェフが部屋に入ってきて
「和馬様、いつもお越し頂きありがとう御座います。」と言ってお辞儀をした。

「あぁ、悪いがいつものをお願い。」
そうオオハシさんが応えるとシェフは承知しましたと言って部屋を出た。

「お前もこっち来て座れ。」

そう言われ、私はハッとすると言われるまま彼と向かい合ってチェアに腰掛けた。

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