君は囁く~涙とともに~
「でもね…光ちゃん」
「ん?」
「やっぱり私、謝らなきゃいけない」
「…何で?」
唯は謝らなくていい。
何も悪いことしてないじゃないか。
でも唯は、そんな俺の考えを無視して、俺をじっと見つめていた。
「だって…やっぱり諦められないよ」
…え?
どういう事だ?
諦めないって…
「光ちゃんのこと、諦められないよ」
そう言う唯の眼差しは強くて、
目がそられなかった。
そして少しばかり、ドキッとした。
そうか、唯は俺のこと、諦めないでいてくれるのか。
そう思うと、何故か嬉しかった。
「ごめんね、光ちゃん」
唯はそう言うと、明るい歩道に出て走っていった。
…言う事だけ言って、一人で帰るって…
俺のこと待ってくれないのか。
唯の家と俺の家は隣同士。
しかもお互いの部屋が向き合っているから、カーテンや窓を開ければお互い話せる距離。
だからいつも一緒に登下校とかしてたのにな…。
置いて行かれるのは初めてだ。