兄貴がミカエルになるとき
あちゃー。

それにしても、「痩せたい」「太るのが怖い」「太った体を見せたくないから外に出たくない」。

思わず嘆息する。

ちょっと太目だとか背が高いとか、そんなことが私たちの幸せを決めている。

デブ・ブス・ダサい、そんな周囲の言い分なんてすべて風に飛ばしてしまえれば。

気にせずそのままでいられれば。

だけど少女の心はそこまでガサツになれない。

透明な糸に心を縛られ苦しくなってもその場所から動けない。

すべてを手放し駆け出したくても、少女の世界はそこしかない。

イッツ・ア・リトル・ワールド。

少女の世界はとても小さい。
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