聖魔の想い人
そして、隅の奥にはこの国の主、帝がおられる。直に顔を合わせたことはないが、なかなかに手強い方だと分かっている。冷たいが、たまに痛いところを訪ねてくるのだ。

オウノは、自ら十歩離れた位置に頭を下げ、額を床にこすりつける姿勢をとった。二人分の、冷たい視線があびせられる。

「話は、部下の者からだいたいのことは聞いておる」

大賢者が口を開いた。

「女に、やられたそうだな」

彼の冷ややかなこうが、オウノに突き刺さった。二人の怒りは当たり前だ。部下のひとりが深手を負い、自身も倒されたなどという失態は、オウノにとって、腹を切って詫びねばならないことだった。
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