【完】MOON STONE ~美しき姫の秘密~
後ろにはベッドがあって前には天井…と翔


横には翔の両腕


これ、どう考えても押し倒されてる


早くなる鼓動とは逆に頭の中はひどく冷静だった


たぶん、翔の私を見る目に疑いの色があったから


「おまえ、なんか隠してる?」


「隠してないよ」


全て決めたら話そうと思う


翔はチッと舌打ちをして顔をぐいっと近づける


心臓がはやい…


「翔、彼女いるのにこんな事していいの?」


これは最終手段


こうでもしないと私が流されちゃう





そしてあっけなくスルッと体が離れた


名残惜しいのはきっと気のせいじゃない


「悪い」


「ううん…


部屋戻るね。おやすみ」


荷物を持って部屋を出た


鍵をあけながら考える


もう、逃げられないのかも知れない


この気持ちにも、二つの№1のことも


…それに刹影のことも





あ、そう言えばまえに透真が言ってた


"河西 栞"ってどんな子なんだろう?


翔の彼女、幼馴染みでこの倉庫で私と唯一入ることが許可されてる子


あれ、でも姫では無いんだっけ?


うーん。わからない


それに私がここに来てから一度も姿を見たことがない


…まぁ、いっか


それより先に考えなければいけないことが山ほどある


部屋に入るとベッドに倒れ込む


私って最近ベッドにお世話になりすぎかも


なんて考えながらあれだけ寝たのにすぐに眠りについた








"河西 栞"


この子が後に事の引き金になることを


この時の私は知る由もなかったのだけれども


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