【完】MOON STONE ~美しき姫の秘密~




〜紅愛side〜


あ、いたいた


私は今物陰に身を潜めている


かなり不審だけど…まあしょうがない


彼等を見れるのなら


ぞくに言うストーカー?おっかけ?


を初体験中だ。


久しぶりに見た蒼桜と輝のみんな


元気にしてたんだ…良かった


でも何か探してるのかな?











…って、え?




なんで蒼桜と輝がお互いに話をしてるの?


一応、敵だよね?


それに蒼桜のメンバーや幹部の顔はわれてないはず


なのに何故…?


どっからみてもおかしい


私がロックをかけたから情報が漏れる事はないし


定期的にチェックしてるけど


侵入された形跡は全くなかった


だったらもしかして…


蒼桜が自分から正体をばらしたの…?


理由なんて無限大にある。


だから正解なんてわからないけど


幹部の皆が何も考えず正体をばらすはずがない


彼等を信じないと。


私は最後に皆の顔を見に来た


蒼桜も輝も、最後に見た顔は


私のせいで曇っていたから


自分勝手かもしれないけど


最後を塗り替えるために


話もしない近づきもしない


ただ、みんなの顔を見に来たんだ


だけどここに来て


みんなの顔を見て


"知りたい"


そう思ってしまった


気持ちを押し殺すのは得意なのに


偽るのなんて簡単なのに





私の体は"近づいてはいけない"そう叫ぶ心と正反対に



彼等に向かって歩きだしていた


一歩一歩


進む度に鮮明に見える皆の姿


近づけば近づくほど


もっと、もっと。


そう叫んで心が言う事を聞かない


そればかりか否定する気持ちは


どんどん薄れていって











ー消えた



みんなのところまで


50m…


45m…


40m…


少しずつ話し声も聞こえるようになってきて


もう少しで確実にわかる


…なのに



「アイツ、カンザキか…?」


突然聞こえた声に思わず振り返る


するとそこにいたのは





聖蘭。


何度か抗争で見た事があるから覚えている


「…ちっ」


何でこんな時に


「…!ビンゴだ!追え!」


その瞬間私に向って走ってくる数人の男


…あとちょっとだったのに!


でも、今は考えるより逃げないと


私は一気に踵を返して走り出した


街中だからきっと銃は使わないだろうし


私は夜影№1の人さらい、カンザキだから。


誰にも頼るわけには行かない





なのに、なんで


「紅愛!!」


私の本名を、私の知っている声が叫んでいるの?


空耳なのかな


私はみんなの隣になんかいないのに。


「待って!!!」


「………っ」


やめてよ


「僕等の話を聞いて!」


縋るような声に聖蘭から逃げる足が止まる


久々に呼ばれた名前に嬉しさがこみ上げた


でも


なんで"カンザキ"と呼ばれた時


私と気づいたのか


そんなの考えなくてもわかる


きっと透真や翔以外はカンザキの証


紅雅と再開した時につけていたブレスレット。


そんなの知らないはずだから
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