君想い
あっ!


家についてから気づいた。


そういえば、聞いてないや。


“ずるい”
ってなんの事だったんだろう。
 

今日はありがとうラインを送ったら
電話がかかってきた。


「えっそんなこと言ったっけ?」


だって土屋くん。


忘れちゃったのかな?


小さな声だったけど、確かに、
言ってた、ずるいって。


だから、


「うん、言ってたよ!」


そう言ったら、


「聞こえちゃってたのか。
 
 声に出すつもりはなかったんだけどな笑

 実は、寝顔があまりにも可愛くて
 我慢できないってそう意味。
 って何言ってんだ俺。
 
 あんま、気にすんな。」



そう照れる土屋くんにこっちまで
恥ずかしくなってくる。

言ってることはよくわかんなかったけど、
今日のお礼だけでも言わなきゃ。
 

「土屋くん、ありがとう。」


そう言うのが、精一杯で。  


土屋くんを傷つけたくない、

土屋くんならきっと大丈夫だ。
 

そんな風に思ったんだ。
< 22 / 41 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop