君想い
section7
今日は、土屋くんとの初遊園地の予定。


あぁ、土屋くん
ごめんなさい。


これは、明らかに私が悪い。


土屋くんを利用したようなもん
だもん。


そんなことを考えてボーッとしてたら
もう家を出る時間で急いで家を出た。


待ち合わせの駅につくと、
もう土屋くんはついていて
にっこり微笑んで手を降る。


その笑顔に笑顔を返すけど、
罪悪感しかない。


「ごめん、遅れて!」


「大丈夫、
 俺も来たばっかだし笑
 じゃあ、いこっか!」


「あの…その前に、
 あそこ寄らない?
 ちょっと話したいことがあるの。」


そう言って、駅ビル内にある
カフェを指した。


「早く行こうよ?
 混んできちゃうし、
 話、ついてからじゃダメ?」


「ごめん、大事な話だから。」


さっきの笑顔とは違って、
察知したかのように、
辛そうな笑みでオーケーしてくれた。


カフェに入ると土屋くんは
休みなく笑い話をしてくれてた。


「そんでさー、
 そいつがコケる時、前の人の髪
 掴んじゃってて、カツラ落ちてる
 の笑それ見てみんな爆笑。」


だけどうまく笑えなくて、


「ごめん。」


そうつぶやいた。

「なにあやまってんの?
 いいよ、いいよ。
 そんなに気にしないでよ!
 俺の話つまんなかった?」


そういって、悲笑する。


「ごめん、
 やっぱり、
 土屋くんと付き合えない。」


「なにいってんの?
 最近のジョークはキツイねー。

 ジョークなんでしょ?
 それなら笑ってよ。
 ねぇ?ひな?」


そういって悲笑を続ける。


「ごめん、さすがにそんなジョーク
 言う余裕ないです。
 土屋くん、
 ほんとにごめんなさい。」


自分が情けなさ過ぎて、
土屋くんを傷つけてしまったという事で
自分に嫌気がさして、
涙が出そうになった。


けど、辛いのは私じゃない。


土屋くんの方が辛いよ。


だって私は土屋くんの気持ち
知ってるもん。


片思いがどれだけ辛いか、
断ち切られた気持ち知ってる。


だから泣いちゃダメだ。
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