君想い
「そっか。
 蒼井と両思いになったのか?」


「え?」


なんで、それ知ってるの?


「ひな、わかりやすすぎ。
 休み時間とか蒼井のことばっか
 見てるし。」


そう言って拗ねたように悲笑する。


え、そんなに見てたの?


バレてたんだ…。


「いいよ、別れてあげる。

 だから、最後に今日を俺に
 ちょうだい?

 今日だけは、俺の言うこと
 聞いてほしい。」


「ありがとう。

 そんなことでいいなら、全然
 いいよ!」


「うん!
 じゃあ、まず笑って。

 そんなつらそうな顔しないで、
 これから行く予定だった
 遊園地いこーよ!
 友達同士ってことで!」


「うん!」


なんだか、
逆に私が励まされちゃってる。


土屋くんはどこまでもいい人だ。
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