七人のオオカミ★ﾚｲｶ伝説～高校生活～

まさか…このクラスの誰もが予想もしてなかった展開にざわついた。
そりゃそうだよ。
たかが後輩一人、立ち尽くしているだけなのにヅカヅカ入ってきたと思えば片膝ついて。
もちろん教室にいた全ての人が目にしていた。
生馬も含めて。

「ちょ、吾廉！」

私は小声で吾廉に囁いた。

「何してんのよ！立ちなさいよ！」

吾廉はすぐに立ち上がると私に手を引かれて屋上へと連れて行かれた。

ガチャッ…

「ばか吾廉！！どこの世界に後輩に向かって肩膝ついてしゃがむ奴が居るのよ！！」

目一杯の声を出して怒鳴った。
しかし、吾廉は落ち着きながら再び肩膝をついた。

「麗華様…お気に触るようなことをして申し訳ございませんでした。しかし、私は麗華様の執事であります。麗華様と同じ高さでお話をすることはご無礼です。」

「そんなことない！私にとっちゃ皆の前で肩膝をついたこと…プライドを捨てたことの方がよっぽど無礼よ！」

吾廉は何も言わないまま頭を下げていた。

「…もういい…ごめん」

私は小さく吾廉に謝った。
もしかしたら今の私の言葉の方が吾廉のプライドを傷付けたのかもしれない。

「麗華様…あなたが私をそこまで避ける理由は何です？」