出会って1秒出逢いは1年


「はーい 出来たよー」


久しぶりに作ったから、ちょっと不安だけど…そんなに失敗するものでもないし、でも不安げに千種の顔を伺う。

「いただきます」


そう言った後、一言も言葉を発さずに黙々と食べる千種に思わず聞く。

食べてくれてるんだから、不味いわけではないんだろうけど…



「……どう?」

「ん、美味しいよ」


ふわりと溢された笑みにどくん、胸が高鳴ったのを隠すように私もスプーンを持つ。


食器とスプーンの触れる音以外聞こえず静かなままオムライスを口に運ぶ。


かちゃり、少し大きめな音に顔をあげるときちんと手を合わせて千種がごちそうさまを言っていた。なんか、すごく似合わなくてふふっと笑い声をあげた。


「なに?どうかした?」

「んー、千種が手を合わせてごちそうさまを言ってるのが可愛かったから」


そのとたん不機嫌そうにそっぽを向いて黙ってしまった。



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