白い恋の結晶~キミへと続く足あと~


頭痛、大丈夫かな。


まだ痛いのかな……。


ベットの側まで足を進め、ぐっすり眠る柊の顔を覗き込んだ。


キレイな寝顔……。


髪はサラサラだし、目を閉じていても二重の線がハッキリしている。


鼻筋も通っているし、こうやってマジマジと見ると、本当にキレイな顔立ちだ。


「……柊」


小さく名前を呼ぶ。


だけど、柊の反応はなし。


「柊……好きだよ」


何の返事もないと分かっているから、言えた言葉。


好きだよ。


何度も何度も自分の中にしまってきた想い。


今これを伝えてしまうと、もう、友達にすら戻れなくなる気がして、とても怖いんだ。


だけど、何度も何度も伝えたいと思った言葉。


「好きだよ……。好きだよ、柊」



< 103 / 297 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop