白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
「……え?」
騒がしい体育館に、マキの真剣な声が溶け込んだ。
「古賀くんに、どうして聞かないの?」
その一言に、あたしは手に持っていた用紙で口元を隠し、ポリポリとおでこをかいた。
あたしが、柊に、何を聞くのか……。
マキに確認しなくても、何のことを言っているのかわかる。
あたしと柊の、今の関係だ。
ずっと曖昧な関係のままでいるから、マキも一緒にいてやり辛いのだろう。
今までそのことについて触れてこなかったから、あたしもそのままにしていたんだ。
もちろん、このままでいいとは思ってない。
だけど……。
「聞けないよ……」
出した声が、口元を覆う用紙にビリビリ響く。
「聞けない。終わってるのは確かだけど……怖くて……」
「…………」
「柊の態度を見たら、もうあたしのことなんて何とも思ってないんだってわかるけど……。本人に直接聞くのは、ちょっと、精神的に無理……」