LOVEPAIN

「あっ、皆さんお騒がせしました。

僕も昔この学校に通ってましたが、
見ての通りの人間でして。
在学中は堂々と悪い事ばっかやってましたね」



やはり、成瀬は元K高校の生徒




「でも、優等生だと言われてた奴も裏で煙草吸ったり、
動物虐待したり……。

そんな奴らは決まって俺の母親が妾で、
そして俺が産まれたって事を馬鹿にして笑って。

学力だけじゃなく、
金持ちだろうが貧乏だろうが、
美人だろうかブスだろうが、

人間の優劣なんか、
そんな目に見える事だけで決められない。

だけど……」



「でも結局は、
人間の本質なんて殆どみんな一緒なんだけどな」


成瀬は一同に向かってそう言うと、


「劣等生、早く帰るぞ」


私に向かって
手を再び差し出す



再び強く差し出されたその成瀬の手を目指し、

私は壇上から飛び降りた



すると、成瀬はそんな私の手首を掴みグイグイと歩いて行く



周りはそんな私達を怖がるように避けて離れて行き、

その一部ではそんな私達を
嘲笑している人達も居た




別に、笑われても構わない


こんな人達に
笑われても構わない

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