LOVEPAIN
親友

涼太は私を、
玄関先迄見送ってくれた



「ごめんな。

本当は家まで送ってやりたいんだけど、
もうじき親が帰って来るから。

そん時に家に居ないと
“こんな時間にどこ行ってた”
とか後から追及されたら嫌だから…」


そう言って笑う涼太は、
親から見てとても素直でいい子なのだろう



これくらいの歳の子ならば、
平気で親を困らせたりするものだと思う



そんないい子の涼太を
同世代の人達の中には非難する者も居るかもしれないが、

私はそんな涼太がとても素敵だと思う



私も父親を大切に思うから、
親を困らせたくない気持ちはよく分かる




「ううん。
私は大丈夫だよ!
一人で全然帰れる。

じゃあ、また明日」



また明日会えるか分からないが、
涼太にそう告げて家を出る




「おう!また明日」


涼太は子供のような邪気のない笑顔で、
私を送り出してくれた




その笑顔に、胸が締め付けられた





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