最悪から最愛へ
つい先程も、数日で腐ってしまった野菜に対して、鮮度が悪いのではないかとクレームを言う客を対して、スマートな姿勢で対応していた。それに、そのことでストレスは感じていない。

だから、なぜ苛立ってしまうのか分からなかった。


「でも、ストレスって、だいたい人間関係じゃないですか?客でなければ、従業員とか?」


店長という立場上、どの従業員に対しても公平な態度をとらなければならない。それに、気遣いも必要だ。しかし、なかには、合わない人間もいる。峻にとって、合わない人間は…咄嗟に思い浮かぶのは、ただ1人。


「もしかして、紺野がストレスなんじゃないですか?」


峻よりも先に小田が原因を探し出せたようだ。でも、峻は納得しようとしない。


「いや、いくら紺野と合わないといっても、それがストレスだなんて…違うと思うな」


小田の探し出した原因を否定する。
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