最悪から最愛へ
客の機嫌を損ねないように、いつでも気持ち良く買い物してもらうようにと接した結果である。


「そうだな。もし、また同じようなことがあったら、俺でも、副店長でも、小田でも誰でもいいから呼べよ。あの客もまた来るようなこと言ってたしな。紺野1人で対応することはしないように」

どんなに頑張っても女1人では、敵わないこともある。もし、力強くで引っ張られたりしたら、対抗しきれない。男と女では、力の差があるのが事実なのだ。


「分かりました。その時は、よろしくお願いします」

悔しいけど、店内にいる限り、頼るのは男性店員だ。特に店長という名が付くものが出てくると怯む客もいる。嫌いな峻でも頼るしかない。


「それと、田中のことだけど、突然の休みが多いのか?」


「そうですね。無断欠勤ではないので、注意はしてないです。一応具合が悪いと連絡が来てますし」


無断欠勤でないので、とがめることに躊躇している。
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