うつくしいもの

「今、手が空いてるのは……」


仁志は、それを私に届けろと言いたそうに、

こちらを見ている


それに釣られるように、
准一迄も



優雅はその会話にも気付かず、

頭を抱え込みながらスコアを見ている




「私が行けばいいんでしょ?

どうせ、私は音楽の事なんて分からないから!」


私は立ち上がり、
准一からそのスマホを奪い取る



そして、寺岡さんの後を追う



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