うつくしいもの
「素人レベルのお前が、
こうやって世間からチヤホヤとして貰えて。
俺も女だったら良かったのになぁ~」
蔑むように、鼻で笑われる
「――どう言う意味ですか?」
「ネットとかで有名じゃん。
寺岡は自分がプロデュースしたり、
曲提供した女を喰いまくってんの。
だろ?」
「だったら、なんですか?」
「へぇ、認めるんだ?」
「私も優雅もあなたみたいな才能なんて、ない」
私も優雅も、
本来ならば選ばれるべき人間では無かった
本来ならば、選ばれるのは涼雅
「涼雅さん。
恥を承知で言いますけど、
この事は優雅には言わないで下さい……お願い……」
目には今にも溢れそうなくらいに涙が貯まっていて、
涼雅の顔が歪んで行く
「私も優雅も…あなたを蹴落として迄、
今の地位を手に入れたいわけじゃない……。
だって、あなたは私や優雅の憧れなんだから……」